受賞
第8回 パピルス賞
第6回 ゲスナー賞 銀賞
書評
『朝日新聞』'10.6.26夕刊「テーブルトーク」
『読売新聞』'10.6.28朝刊 文化面
『京都新聞』'10.7.1夕刊
『中日新聞』『東京新聞』'10.7.4 朝刊 読書面
『京都新聞』'10.7.25朝刊1面、松岡正剛「本の大路小路」
『日本経済新聞』'10.8.5朝刊 文化面
『西洋古典学研究』LIX、131-133頁、評者:橋本隆夫氏
正誤表
第一刷 正誤表(2010.11.19更新)PDF
内容
神話伝説から歴史、宗教、文学、哲学、美術、政治、衣食住や性生活に至るギリシア・ローマ世界に関連する事項を幅広く約5600項目とりあげ、詳細に解説したわが国初の本格的事典
【本書の特長】
● 本事典が扱う範囲は、エーゲ海文明から、西ヨーロッパでは西ローマ帝国滅亡(476年)、東ヨーロッパではユースティーニアーヌス1世の死去(565年)まで、紀元前6世紀から紀元後6世紀までのおよそ1200年間、すなわち、現在の西洋文明全般のルーツが成立する時期・地域全体を扱った。
● 見出し語を幅広く収録するだけでなく、同名の人名、地名についてもその違いが一目でわかるように配慮した。例えば、「アレクサンドリア」という地名だけでも8つ、「プトレマイオス」という人名だけでも、30人が収録されている。
● 見出し項目が登場するギリシア・ローマの古典書を説明文の後に掲げている。これによって、例えば「オイディプス王」の伝説について、ホメロス『オデュッセイア』(11巻271行)など16の古典文献のどの箇所に記載されているかが一目でわかり、さらなる調査に資するように配慮されている。
● 各見出しには、ギリシア語、ラテン語はもとより、英仏独伊西露など現代のヨーロッパ諸語形、時にはアラビア語、古ペルシア語、トルコ語、コプト語、ヘブライ語、前ギリシア語である線文字B、漢語、等々の表記を掲載。西欧・イスラム世界で、ギリシャ・ラテンの諸文明がどのように受容されたかが分かる。
● 項目のみ解説した古典学事典は、オクスフォード出版局等からも出されているが、本書には、世界的に類をみない膨大な系図535点(本文中の小系図418点、巻末の大系図117点)、年表、地図を収載している。特に、ローマの共和政期、帝政期の主要な人物の入り組んだ婚姻関係が詳細に示され、古典学研究のみならず、文学や演劇など他の芸術諸分野の創造活動にも、非常に役立つものとなっている。
● 読者の便宜をはかり、和文索引、欧文索引も巻末に配し、和文索引には、見出し項目以外に、本事典に登場するさまざまな人名、地名もすべて収録した。
目次
凡 例
本 文
巻末付録
A.巻末系図
B.年 表
C.度量衡
D.地 図
索 引
あとがき
プロフィール
松原國師(まつばら くにのり)
西洋古典学研究者。
昭和27年(1952年)京都市生まれ。
東京大学大学院修士課程修了。
専攻 西洋古典学、比較神話学、美術史学。
主な翻訳書として、『古代ギリシア・ローマの都市』(国文社)、『図解 古代ローマ』(東京書籍)、『図解 古代ギリシア』(東京書籍)、 『図解 古代エジプト』(東京書籍)などがある。