東洋史研究叢刊之七十五(新装版13)
中国古代刑制史の研究

宮宅 潔

A5上製・418頁・税込 7,560円
ISBN: 9784876985333
発行年月: 2011/01
在庫あり

書評

『古代文化』第63巻第4号(2012年3月)、158-160頁、評者:石岡浩氏
『史學雜誌』第121編第6号、99-106頁、評者:籾山明氏
『東洋史研究』第71巻第2号、126-131頁、評者:水間大輔氏

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内容

本書は、最新の中国秦漢時代の制度史研究である。近年、法律条文や司法文書が相次いで出土したことにより、統一秦から漢初に到る時期の法律・制度は、その詳細が知られるようになった。刑罰制度の詳細を出土史料から復原する一方で、関連する諸制度の変遷とリンクさせることにより、刑罰制度の展開とその背景を解明しようとする。

目次

序言

第一章 張家山漢簡「二年律令」解題
一、出土状況とテキスト 
二、「二年律令」の復原と問題点
三、抄写の背景
四、「二年」とは
五、地方官衙における法令の受容と整理
六、各条文の成立年代と派生する問題
七、二つの財産刑をめぐって

第二章 秦漢刑罰体系形成史試論—腐刑と戍辺刑—
はじめに
一、腐刑
 (一)強姦罪に対する腐刑
 (二)最も重い肉刑としての腐刑
 (三)腐刑の廃止と復活
 (四)刑罰体系の整序と腐刑の位置づけ
二、戍辺刑
 (一)秦漢律中の戍辺
 (二)戍辺刑の様相
おわりに
附記

第三章 労役刑体系の構造と変遷
はじめに
一、労役刑の刑期をめぐって
 (一)有期刑説の展開
 (二)有期刑説の検討
二、無期労役刑体系の構造
 (一)鬼薪白粲の位置
 (二)労役刑の役務内容
 (三)刑徒の「標識」—刑具・服装・肉刑—
 (四)刑徒の配置とその就労形態
 (五)刑徒の家族等への処遇
三、秦〜漢初の縁坐制度
 (一)「収」—没収制度—
 (二)「二年律令」に見える縁坐制度
 (三)縁坐制度の改革
 (四)縁坐制の「復活」をめぐって
 (五)肉刑の廃止と文帝改制の意味
おわりに

第四章 恩赦と労役刑—特に「復作」について—
はじめに—問題の所在
一、恩赦の歴史的展開
二、復作とは
三、復作と弛刑
四、無期刑時代の「復作」
五、恩赦の機能と労役刑
おわりに

第五章 「司空」小考—秦漢時代における刑徒管理の一斑—
はじめに
一、司空の起源
二、秦〜漢初の司空—出土文字史料より見た—
 (一)配置
 (二)職掌
 (三)刑徒労働の管理
三、司空と「獄計」—前漢後半期—
四、獄をめぐって
 (一)「獄」とは
 (二)郡県における獄の配置
 (三)中都官獄の配置
五、司空と獄
 (一)獄司空
 (二)司空の稀薄化
結びにかえて

第六章 「劾」をめぐって—中国古代訴訟制度の展開—
はじめに
一、「劾」の意味とその機能
二、「劾」の歴史
おわりに

附論 漢初の二十等爵制—制度史的考証—
はじめに—爵と刑罰をめぐる研究史—
一、爵後と「不為後者」
二、疾死と死事
三、女性による襲爵
四、爵後と戸後
五、小爵と傅籍
六、有爵者の特権とその変遷
七、帝賜と爵位
八、民爵の継承
おわりに

結語

引用文献一覧
あとがき
索引
英文要旨

プロフィール

宮宅 潔(みやけ きよし)
京都大学人文科学研究所准教授
1969年 岡山県生まれ。
1997年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学(東洋史学専攻)。
2000年 神戸女子大学文学部専任講師。
2002年より現職。