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東洋史研究叢刊之七十二(新装版 10)

高麗官僚制度研究

矢木 毅

A5上製・554頁

ISBN: 9784876985302

発行年月: 2008/11

  • 本体: 7,400円(税込 8,140円
  • 在庫あり
 
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内容

中国漢人と北方諸民族の諸王朝・政権のはざまで、高麗の官僚制度は複雑な変遷をたどる。その検討を通じて、表面的な変化の背後にあって、高麗の官制を真に特徴づけている官僚制度の構築原理そのものの解明に迫るとともに、古代から近世にいたる、前近代朝鮮の全体史のなかで、中世高麗時代の歴史的な位相を見定める。

書評

『史學雜誌』第118編第10号、104-112頁、評者:濱中昇氏

プロフィール

矢木 毅(やぎ たけし)

 1964年、富山県西砺波郡福岡町(現、高岡市福岡町)に生まれる。京都大学文学部史学科(東洋史学専攻)卒業。同大学院文学研究科修士課程(東洋史学専攻)修了。同大学院文学研究科博士後期課程(東洋史学専攻)学修退学。京都大学人文科学研究所助手、宮崎大学教育文化学部助教授を経て、現在、京都大学人文科学研究所准教授。専攻は朝鮮中世近世史。

目次

はしがき
凡  例

序説 高麗時代史の概観--官制と外交
 第一節 新羅から高麗へ
 第二節 北方民族への服属
 第三節 武臣政権の崩壊と元朝への服属
 第四節 元明交替とその影響
 小  結

第一部 官僚機構と王権

第一章 高麗国初の広評省と内議省
 第一節 金傅告身の分析
 第二節 広評省会議と和白
 第三節 内議省の成立
 第四節 内史門下の成立
 小  結
 【補説】 新羅時代の宣教省について
第二章 高麗睿宗朝における意思決定の構造
 第一節 宰臣と枢密
 第二節 宰枢と王言
 第三節 侍臣四品以上
 第四節 文武三品以上
 小  結
第三章 高麗時代の銓選と告身
 第一節 制授告身と勅授告身
 第二節 中書門下制牒と尚書吏部教牒
 第三節 批・判と謝牒
 第四節 政房の成立
 小  結
 【補説】 朝鮮時代の官教と教牒
第四章 高麗時代の宰相制度--合坐制とその周辺
 第一節 官府の円議と掌務
 第二節 宰枢の合坐と兼職
 第三節 諸司・都監と宰枢
 第四節 合坐制の変質
 小  結

第二部 流品の構造

第五章 高麗官僚制度の概観--外官への例調を中心に
 第一節 科挙による初入仕
 第二節 門蔭・吏職による初入仕
 第三節 州県官への例調
 第四節 常参官への昇進
 小  結
第六章 高麗より朝鮮初期に至る進士概念の変遷
 第一節 高麗時代の科挙と進士
 第二節 高麗時代の国学と進士
 第三節 国学の升補試と斎生
 第四節 朝鮮初期の生員と進士
 小  結
 【補説】 高麗時代の何論業について
第七章 高麗時代の内侍と内僚
 第一節 内廷と外廷
 第二節 国王と内侍
 第三節 国王と内僚
 第四節 王権の変質
 小  結
第八章 高麗事元期における官品構造の変革
 第一節 文散階の構造
 第二節 参秩の変遷
 第三節 職事官の陞降
 第四節 百官志の批判
 小  結
結論 朝鮮前近代における王権の素描
 第一節 古代の王権と骨品貴族
 第二節 中世の王権と門閥貴族
 第三節 雑姓庶人と雑類の進出
 第四節 近世の王権と流品の整飭
 結  語

附篇 参考論文
第一 国子監試に関する諸説の検討
 第一節 国子監更試と国子監試
 第二節 郷貢進士と国子監試
 第三節 国子監試と升補試
 結  語
第二 尚書都官貼の分析
 第一節 尚書都官貼の構成
 第二節 『高麗史』高宗世家との比較
 結  語
第三 高麗王言考--または『高麗史』諸志の文献批判
 第一節 「詔」と「教」
 第二節 「詔書」から「教書」へ
 第三節 「制」と「判」
 第四節 『式目編修録』と『周官六翼』
 結  語

あとがき

初出誌一覧
本書未収論文存目
参考文献一覧
索  引
英文目次
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