「視線」からみた日本近代
明治期図画教育史研究

中村 隆文

A5上製・378頁・税込 5,616円
ISBN: 9784876980994
発行年月: 2000/04
在庫あり

受賞

村尾育英会学術奨励賞 受賞

書評

『朝日新聞』2000年7月9日読書面、評者:黒田日出男氏

内容

明治期、元来は認識力や道徳的品性の陶冶を目的として、普通科教育の一つとして導入された図画教育は、日本と日本人の「近代化」にどのような影響を与えたのか。例えば文部省の理念と教育現場の資源の矛盾、あるいは美感育成と輸出工業養成との関係など、教育学的視点から捉えることで明治期の美術教育を近代化論の中に位置づける。

目次

はじめに
第一章 教育としての「図画」の出発
第一節 明治初期の図画教育構想
第二節 教育としての「図画」の形成——英米教育学とその影響
第二章 西洋画教育への反発
第一節 毛筆画教育への要求——京都府の図画教育政策とその実態
第二節 岡倉覚三と「美術組織計画案」
第三節 鉛筆画・毛筆画論争とその帰結
第三章 図画教科書の分析——毛筆画教科書の成立をめぐって
第一節 鉛筆画教科書の成立
第二節 毛筆画教科書の形成
第三節 毛筆画教科書の成立
第四章 「独乙教育学」と「美育」の登場
第一節 ハウスクネヒトと図画教育
第二節 小学校教則大綱とヘルバルト主義教育学
第三節 それ以後の展開
第五章 一九〇〇年パリ万国博覧会とその影響——「国際化」と日本
第一節 万国博覧会と日本
第二節 帝国教育会「美術部」の創設
第三節 パリ万国博覧会と「普通教育ニ於ケル図画取調委員会」
第六章 図画教育会と『尋常小學新定畫帖』
第一節 図画教育会の創設——文部省主催「図画教授法夏期講習会」とその内容
第二節 図画教育会の活動
第三節 図画教育会とその展開
第四節 『尋常小學新定畫帖』の成立
結論
図画教科書図版分析資料
謝辞にかえて
図画教育関係略年譜
脚註引用文献
索引

プロフィール

中村 隆文(なかむら たかふみ)

神戸女子大学文学部教育学科教授,京都大学博士(教育学) 1953年 神戸市生まれ 1977年 同志社大学商学部卒業
1988年 京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学
1996年 金沢経済大学経済学部助教授(1999年3月まで) 2000年 村尾育英会学術奨励賞受賞 教育史学会,教育社会学会,日本教育史研究会所属