プリミエ・コレクション 81
ヤスパースの実存思想
主観主義の超克

松野 さやか

A5上製・260頁・税込 3,888円
ISBN: 9784814000807
発行年月: 2017/03
在庫なし
4月上旬発売予定

内容

「意識」「限界状況」「包越者」「交わり」——悪しき主観主義という実存哲学に対する批判を斥け、五つの基本概念の下にカール・ヤスパース哲学の本質を明らかにする。現代を生きるための大きな指針を得る一書。

目次



第1章 意識の主観と客観への分裂
 第1節 志向性と分裂
 第2節 自我意識の形式的特徴
 第3節 人格における自我意識と対象意識の相補性
 第4節 分裂の意義
 第5節 主観性と客観性の両極性のうちにある実存

第2章 限界状況と実存
 第1節 「限界状況」とは何か
 第2節 主観の側での二律背反と「選択」
   1.「選択」と「欲動」
   2.「選択」と「殻」
 第3節 客観の側での二律背反と「決断」
 第4節 ルカーチによる「殻」の批判
 第5節 リッカートによる「殻」の批判

第3章 包越者存在論と主観主義
 第1節 超越するはたらきの始点としての主観
 第2節 我と包越者
 第3節 理性と精神

第4章 了解と実存
 第1節 心理学的方法としての了解
   1.主観的心理学の「静的了解」と客観的心理学の「感官知覚」
   2.主観的心理学の「発生的了解」と客観的心理学の「因果的説明」
 第2節 心的現実と欲望の実現
 第3節 心的現実に内在する複数の動機
 第4節 心的現実の明証性
 第5節 心的現実と物語
 第6節 了解不可能なものとしての実存

第5章 交わりと実存
 第1節 現存在の交わり
 第2節 実存的交わり
 第3節 交わりに一貫するもの

初出一覧
あとがき
索引(人名・事項)

プロフィール

松野さやか(まつの さやか)

1977年 千葉県に生まれる
京都大学総合人間学部卒業
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、京都大学博士(人間環境学)
現在 京都大学大学院非常勤研究員

主な論文
「ヤスパースの世界観と両極性の原理」(『人間存在論』第11号)、「ヤスパースの「了解」」(『ヒューマンセキュリティ・サイエンス』第6号)、「ヤスパースの「交わり」と主観主義」(『コムニカチオン』第18号)ほか